静寂と神秘、そして試練。二王子岳登山口の無料境内野営地
杉木立に囲まれた神社境内という神聖な雰囲気は魅力だが、夏場から秋にかけては「ヤマビル」が大量発生する。加えて古い汲み取り式トイレしかなく、周辺では熊の出没情報もある。ライトなキャンプ気分では厳しい、上級者向けの野営地。
登山口の山開きは5月最終日曜。残雪と新緑が美しい時期だが、ヒルの活動が始まるのもこの頃からで油断は禁物。
ヤマビル・アブ・ブヨが最も活発化するシーズン。杉林の中は薄暗く湿気も多いため、虫対策を怠ると一瞬で心が折れる過酷な時期。
紅葉が美しく登山者も多い時期。ヒルの活動はやや落ち着くが、引き続き熊の活動期でもあるため熊鈴等の対策は継続したい。
二王子岳一帯は積雪が非常に多いエリア。登山者カードボックスも冬期は撤去されるなど、そもそも野営には適さない時期になる。
二王子神社キャンプ場は、日本二百名山・二王子岳の登山口を兼ねた神社境内の野営地だ。杉木立に囲まれた境内は「空気がピンと張り詰めていて非常に神秘的」と野営愛好家から絶賛される一方、無料で利用できる分、設備は最低限にとどまる。
最大の壁はヤマビル・熊・汲み取りトイレの3大試練だ。特に夏場のヤマビルは強烈で、対策なしでは登山どころか設営すら難しい。トイレも古い汲み取り式で、家族連れやキャンプ初心者には正直おすすめしづらい環境と言える。
それでも、登山の前泊地としてブッシュクラフトや静かな野営を楽しみたい玄人には最高のロケーションだ。装備と精神力を万全に整えた上で挑む、上級者向けの一泊になる。
本殿横にある「禊滝」では毎年滝行が行われており、夏場は登山を終えた人が天然のシャワー代わりに浴びていく光景も見られるという、信仰の場ならではの使われ方をしている。また当キャンプ場が境内を構える二王子神社は、2024年3月に国登録有形文化財に指定されたばかりの歴史ある神社(本殿は天保7年・1836年創建、現本殿は1967年再建)でもある。駐車スペースはキャンプ場前に約10台分と少なく、混雑時は100mほど手前の予備スペースを使うことになる。なお、二王子岳の西斜面は新発田市の「NINOXスノーパーク」(グリーンシーズンは「お山のキャンプ場」)のゲレンデにあたり、同じ山を挟んで正反対の性格を持つキャンプ場が向き合っている形になる。
同じ「二王子岳」を挟んで反対側にあるのが、新発田市の「お山のキャンプ場(ニノックス)」だ。西斜面のゲレンデを使うニノックスに対し、二王子神社は東側の登山口・神社境内という対照的な立地になる。また、同じ新潟県内の「里山・格安」タイプとしては魚沼市の「福山峠のふるさと広場」も参考になる。
※予約不要・無料開放の境内野営地です。ネット予約はできないため、最新の利用状況や熊出没情報などは二王子神社(0254-25-2536)へ直接お問い合わせください。