ここは南岸の温泉街からダートの林道を数キロ走った終点にある、道内でも屈指の秘境野営場。最大の警戒点は「電波完全圏外」「ヒグマの生息域のど真ん中」「標高約800mの高地気候による夜間の冷え込み」の3つが同時に襲ってくること。初心者やファミリーでの利用は推奨されない。
営業期間は7月1日〜9月30日のため、春(4〜6月)は野営場自体が閉鎖中。残雪や凍結が残る林道もあり、事前の立ち入りは推奨されない。
唯一営業する季節。標高約800mの高地気候のため、8月でも夜はフリースやダウンがないと凍える。日中は道内屈指の涼しさだが、アブ・ブヨ・蚊が最盛期を迎える。
9月30日で営業終了。9月に入ると朝晩の冷え込みが一気に強まり、氷点下に迫る日も出てくる。閉場間際は利用者が減り静寂が際立つが、防寒装備は必須。
10月〜6月は完全閉鎖。積雪・凍結によりダート林道自体へのアクセスも困難になるため、この時期の利用は想定されていない。
然別湖北岸野営場は、北海道で最も標高の高い自然湖「然別湖」の北岸に位置する、まさに秘境中の秘境である。南岸の温泉街から細いダート林道を走った先にあり、そこには人工物のほとんどない原生林と神秘的な湖しかない。この立地の遠さそのものが、他のキャンプ場にはない濃密な静寂と星空を生み出している。
一方で、その魅力の裏には明確な代償がある。電波は完全に圏外となり、ヒグマの生息域のど真ん中に身を置くことになる。トイレは古い汲み取り式で、平らな設営スペースも限られる。標高800mの高地気候により、真夏でも夜は防寒着なしでは凍える。これらは「不便」ではなく、この場所を選ぶ以上は受け入れるべき前提条件と捉えるべきだろう。
総合すると、カヌー愛好家やソロキャンパー、静寂と野性を求める玄人にとっては他に代えがたい聖域である一方、初心者やファミリー、電波が使えないと不安を感じる人には全く向かない。訪れる前に自分がどちらのタイプかを冷静に見極めることが、満足度を大きく左右する。
受付時間は16時から18時までと短く、それ以外の時間に到着した場合は募金箱に料金を投函する方式である。受付では番号入りの旗を渡され、設営後はテントの脇に立てておく決まりだ。荷物運搬については、場内に無料で借りられるリヤカーが3台ほど常備されており、車両乗り入れ不可という条件のわりには苦労しにくい。ただし湖岸の水際はテント設営が禁止されており、開けた場所を選んでも木々に遮られて湖面が少し覗ける程度にとどまる点は、事前に理解しておきたい。場内に入浴施設はないが、車で15分ほどの然別湖畔温泉ホテル「風水」で日帰り入浴ができるので、汗を流したい場合はそちらを利用するとよい。
同じ鹿追町が管理する秘境野営場としては「然別峡野営場(鹿の湯)」が代表格である。どちらも大人250円・子供150円、営業期間も7月1日〜9月30日と共通点が多いが、決定的に違うのは温泉の有無だ。
※こちらは鹿追町の施設情報ページです。予約不要・先着順のため、直接現地へお越しください(問い合わせ:鹿追町商工観光課 0156-66-4034)。