数百円で買える「完全な孤独」。菊川市最高峰の山中に眠る、玄人向け激安野営地の現実。
山を切り拓いた完全予約制の市営キャンプ場で、料金は1区画数百円〜ととにかく破格の安さです。ただしその分、アクセス路の林道は対向車とのすれ違いがほぼ不可能なほど狭くて急な険道で、車高の低い車には向きません。設備も昭和から続く古いものが多く、イノシシなど野生動物の気配も近いので、虫の警戒レベルも最高クラスと思っておいたほうがよさそうです。
菊川市の観光情報でも紹介される桜の名所で、参道入口付近は花見客で賑わいます。ただし残雪や雨上がりの林道は滑りやすくなっているので、険道の走行には普段以上に気をつけたいところです。
標高282.6mと低山のため下界とさほど気温差はなく、蒸し暑さと虫のピークが重なる時期です。ヤマビルや蜂の活動も活発になるため、防虫や肌の露出を避ける対策を徹底したいところです。
虫の勢いはやや落ち着きますが、台風や秋雨で林道が土砂崩れ・倒木により通行止めになるリスクが高まる時期です。訪問前に菊川市の最新情報を確認しておくことが欠かせません。
落葉で山道の見通しは良くなるものの、路面の凍結や霜によるスリップの危険が険しい林道に重なります。防寒よりもむしろ、運転面での警戒が必要な季節です。
火剣山キャンプ場は、ファミリーで賑やかに楽しむレジャー施設とは対極にある「玄人・サバイバー向けの野営地」と言えそうです。設備は最低限で古く、アクセス路も険しく、虫の多さも折り紙付き。ただ、その不便さこそを「ロマン」として味わえる一部の野営好き・ブッシュクラフト志向のソロキャンパーからは、むしろ「秘密基地」として熱狂的な支持を集めているようです。
山頂付近の展望台からは、天候が良ければ富士山や駿河湾までも見渡せるという隠れたご褒美もあります。場内には簡単なアスレチックも設置されていて、装備を絞ったソロ野営や、ハイキングとセットでの利用に向いている構成のようです。
万全の準備と危機管理能力を持ったキャンパーにとっては、数百円という価格で「真の孤独」と静寂を買える最高の隠れ家になり得そうです。逆に、快適な設備や安全なアクセス路を求めるファミリー層には、正直なところあまりおすすめしづらい施設かもしれません。
火剣山キャンプ場は、メールでの予約は一切受け付けておらず、予約は「なっぷ」からのオンライン予約のみという運用です。問い合わせだけはメールでも可能ですが、予約枠の確保はネット予約のみと覚えておきたいところです。また現地へ向かう道は茶畑の中を通る農道でもあるため、地元の農作業車両が優先される旨の案内があり、すれ違いの際は道を譲る配慮が求められます。利用規約上は、高等学校に在学中または18歳未満の方だけでの利用はできず、チェックインからチェックアウトまで18歳以上の同行者が必須である点も、学生グループでの利用を考えている場合は見落としやすいポイントです。
同じ静岡県内の山岳系キャンプ場として比較したいのが、大井川上流の秘境にある「南アルプス井川オートキャンプ場」です。どちらも山道の運転が課題になる施設ですが、料金や設備のグレードは対照的です。
※予約はキャンプ場公式サイトから「なっぷ」の予約ページ(https://www.nap-camp.com/shizuoka/11793)へ進んでください。利用日の14日前までの申込みが必要です。